・賃貸人に対する処分費用請求の可否
賃貸借契約において、残置動産を処分するのに要した費用は賃借人の負担と
するという約定をした場合、賃貸人は、処分に要した費用を賃借人に対して請
求できます。
しかし そのような約定がないときには、賃貸人としては、残置動産の処分につ
いて、賃借人から準委任を受けており、賃借人に対して処分に要した費用の賠
償請求権を有すると構成するか、または、かかる処分は事務管理にもとづくも
のとみて、賃貸人は賃借人に対して費用請求権を有すると構成して、 賃借人
に対して、処分のために支出した費用のうち合理的な範囲の額を請求できると
解されます。
・明渡し後に見つかった高価品の扱い
賃貸人にとって迷惑な残置動産とは反対に、明渡し後に、賃貸物件内で現金、
宝石類、当たりの宝くじ券などが発見された場合、賃借人は、上記所有権放棄
の約定によりその所有権を失うのでしょうか。
契約の意思解釈の問題として、所有権放棄の対象となる動産は、賃貸借契約
終了時に賃借人が賃借物件内にあると認識していたものに限られると考えるべ
きです。
認識の対象外の動産については、所有権放棄の意思を認めることはできない
からです。
したがって、上記のような高価品に対しては、賃借人がその存在を知りながら
放置した場合は格別、そうでない限りは所有権放棄の意思は及ばないと考えら
れます。
